
暗号資産を持って旅行する:旅先での実践的なセルフカストディ
旅行は、あなたが直面する脅威の形を変えます。自宅なら、デバイスは自分で管理しているネットワークにつながり、周りにいるのは知っている人たちです。旅先では、スマートフォンやノートパソコンが空港の保安検査トレイ、ホテルの部屋、カフェのテーブルを渡り歩き、置き忘れられ、盗まれ、ときには検査されます。だからといって旅行中にセルフカストディをやめる理由にはなりませんが、少しの準備が大きな違いを生みます。
これは一般的な助言であり、法的な助言ではありません。デバイス検査や暗号資産そのものに関するルールは国によって異なるため、渡航先のルールを確認してください。
出発前:自宅で準備する
簡単なチェックリスト:
- バックアップを確認する。 使っているすべての鍵のリカバリーフレーズが書き留められ、読みやすく、自宅で安全に保管されていることを確かめましょう。復元の練習は今のうちに。ホテルの部屋で初めて試すのは避けてください。
- アプリを更新する。 出発前に、OS、ブラウザ、ウォレットアプリの保留中のアップデートをインストールしましょう。
- デバイスをしっかりロックする。 スマートフォンとパソコンに強力なパスコードを設定し、デバイスを探す機能をオンにして、それぞれを遠隔でロックまたは消去する方法を把握しておきましょう。
- 持っていくものを決める。 必要なデバイスだけを持ち、必要な金額だけを管理させましょう。
リカバリーフレーズは絶対に持ち歩かない
リカバリーフレーズはウォレットそのものです。それを読んだ人は誰でも、どこででもあなたの鍵を再構築できます。荷物に入れた紙のコピーは、紛失したり、撮影されたり、検査で見つかったりするかもしれません。スマートフォン内の写真はさらに危険です。本来バックアップすべきデバイスと一緒に移動してしまうからです。
リカバリーフレーズは自宅に置いていきましょう。旅行中にデバイスをなくしても、帰宅してから復元できます。バックアップの意味は、守る対象と同じ場所にないことにあります。
旅行用の資金を貯蓄と分ける
旅先でのリスクを減らす最も簡単な方法は、持ち歩く額を減らすことです。多くの人は、旅行に足りる程度の小さな「旅行用」ウォレットを用意し、長期の貯蓄は家から出ることのない構成に残しています。
デバイスを盗まれたり、誰かにウォレットを開くよう迫られたりしても、危険にさらされるのは自分で持ち出すと決めた金額だけです。
目立たないことも大切です。残高の話をしたり、人前で資産を見せたり、暗号資産の保有者だとわかるグッズを身につけたりしないようにしましょう。ほとんどの物理的な脅威は、誰かがあなたを標的に選ぶところから始まります。
公衆 Wi-Fi、共用パソコン、デバイス検査
公衆 Wi-Fi。 空港、ホテル、カフェのネットワークは見知らぬ人と共有するものです。大きなリスクは、偽のログインページ、本物になりすましたネットワーク、何かをインストールさせようとする表示です。ウォレットに関わる操作には、モバイル通信か信頼できる個人用テザリングを使い、ネットワークのページに求められたからといってアプリや拡張機能を決してインストールしないでください。
ホテルのビジネスセンターのパソコン。 共用や公共のパソコンでウォレットを使うのは絶対にやめましょう。キーロガーや悪意ある拡張機能が、入力内容をすべて見てしまいます。自分で管理していない端末には、リカバリーフレーズ、パスワード、秘密鍵を入力しないでください。
デバイス検査。 国境によっては、係官にスマートフォンやパソコンのロック解除を求められることがあります。その手続きやあなたの権利は国によって異なるため、出発前に調べておきましょう。リカバリーフレーズが入っておらず、少額の旅行資金しか管理していないデバイスなら、失うものはずっと少なくなります。
デバイスをなくしたとき SSP はどう持ちこたえるか
SSP は 2-of-2 のマルチシグです。鍵の一方はブラウザ拡張機能 SSP Wallet に、もう一方はスマートフォンのアプリ SSP Key にあり、すべての取引に両方が必要です。
スマートフォンを盗まれても、盗んだ人が持っているのは鍵 1 本で、2 本ではありません。ブラウザ側の鍵がなければ資金は動かせず、ノートパソコンがなくなった場合も逆の形で同じことが言えます。さらに SSP Key は、承認に署名する前に生体認証か独自のパスワードを求めるため、ロック解除済みのスマートフォンを手にした盗人でも、もう一つの鍵に阻まれます。SSP Wallet は 10 分間操作がないと自動でログアウトするので、開いたままのパソコンを持ち去られた場合にも役立ちます。
デバイスをなくしたら、その鍵のリカバリーフレーズから代わりのデバイスで復元します。スマートフォンをなくしたときの SSP の復元で手順を説明しており、鍵の一つが漏えいしたらどうなるかでは、鍵が単になくなったのではなく露出したと思われる場合の対処を解説しています。
ただし限界もあります:
- 同じバッグに入れた 2 台は一緒になくなりうる。 ノートパソコンとスマートフォンを同時に盗まれれば、両方の鍵を一度に失います。自宅のバックアップから復元し、持ち運びを分けることも検討しましょう。スマートフォンは身につけ、パソコンは部屋の金庫か別のバッグへ。
- 脅されれば両方で承認できてしまう。 マルチシグが防ぐのはデバイスの盗難であって、両方のロック解除を強要する相手ではありません。その場合の本当の防御は、持ち歩く額を少なくすることです。
海外でデバイスをなくした・盗まれたとき
- 落ち着く。 鍵が 1 本欠けていれば、誰も SSP の資金を動かせません。時間との競争ではありません。
- なくしたデバイスをロックまたは消去する。 デバイスを探す機能を使います。
- もう一方のデバイスが動くことを確認し、資金が動いていないことも確かめます。
- 欠けた鍵を復元する。 自宅のバックアップのもとに戻ってから、信頼できる代わりのデバイスで行いましょう。資金は待ってくれます。
- 鍵が露出した疑いがあるなら、つまり単になくしただけでないなら、両方の鍵が揃った時点で資金を新しい構成に移しましょう。
より幅広い習慣については、暗号資産の運用セキュリティ チェックリストをご覧ください。
正直なまとめ
暗号資産を持って旅行するうえで大切なのは、ほとんどが地味なことです。バックアップは自宅に、復元は練習済み、アプリは最新、デバイスはロック、そして少額の旅行資金を貯蓄と分けておくこと。旅先では共用パソコンを避け、公衆 Wi-Fi に注意し、自分の保有資産について話さないようにしましょう。
SSP の 2-of-2 設計により、デバイスを 1 台なくしてもウォレットを失うことにはならず、SSP Key はすべての承認に独自の鍵を加えます。ただし、2 台が一緒に奪われた場合や、両方で承認するよう強要された場合には役に立ちません。そうした場面では、持ち歩く額を少なくすることが今も最善の防御です。


